ワンポールテントを自作してみた!(材料検討編)

企画・設計編に続き、ワンポールテント自作の材料検討編です。

検討する材料(素材)は、以下のとおりです。
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(1)本体の生地
(2)スカート部分の生地
(3)ベンチレーターのカバー、メッシュ生地
(4)張り綱補強パーツの生地
(5)ファスナー
(6)ポール接続用のベルト
(7)ペグダウン用のベルト
(8)張り綱用のループ



では、それぞれの材料の検討です。

材料はコスト重視ではなく、納得のいく材料を選んでいくことにしました。

せっかく手間をかけて作るんだからね。


(1)本体の生地

まずは本体の生地から。

今回もテントに適した生地を探しまくりましたよ。

「Outdoor Material Mart」LinkIconで購入するなら、シルナイロンかな。

omm_fb_sil_red.jpgOutdoor Material Martの説明によると

「1.1oz/yd(=37.3g/平米)、30デニールのリップストップ・ナイロンにシリコンを両面コーティングかつ染み込ませたもの。コーティング後の重さは約1.3oz/yd=(44g/平米)。非常に軽量で強度のある素材です。また、表面が非常に滑らかで高い防水性があります。シルナイロンは他の防水素材の様にコーティングが片面だけだったり、表面だけにとどまるのとは異なり、両面コーティングでかつ繊維に染み込んでいるので非常にしなやかで平滑性があり防水性が長期間持続します。」

となっています。


出典元:アウトドア・マテリアル・マート http://magicwand.jp/fabrics

幅1.53mで1mあたり1500円。

生地としては間違いないでしょうね。

今回利用したのは、大阪船場の老舗生地問屋の「山富商店」LinkIconです。

本来であればお店に行きたいところですが、なにせ大阪のお店なので諦めました。。。

このお店の扱っている生地はなんと2000種類以上!

ネット上でもかなりの数の生地が種類や機能などから便利に検索できます。

そして個人に対しても1m単位で切り売りしてくれるのです

撥水機能で検索するだけでもたくさんの生地がでてきます。

もうよりどりみどりで、どれを選べばいいか見当がつきません。

でも安心!このお店はなんと個人にまで生地サンプルを送ってくれるのです!

それも7種類までは無料なんです!

生地サンプルで事前に確認できれば、思ってた生地と違う!なんてことは避けられますからね。

ありがたいことです!

山富商店のサイトにアウトドア生地を特集した記事がアップされています。当方も紹介されていますよ。

山富商店:【PICKUP☆FABRIC】アウトドアに最適な生地をシーンに合わせてLinkIcon

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というわけで、早速生地のサンプル請求をしましたよ。

撥水機能があってリップストップのものを中心に選びました。

リップストップとは、その名のとおり「裂けるのが止まる」布です。布に格子状に糸が入っていて、裂けにくくなっているものです。



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まずはマスダックリップ

50Dのファインデニール糸を使用の超高密度織物で多用途に使用できるもの。

もちろん撥水機能があり、通気性もある素材です。色も数多くあります。

これがベストとおもったのですが、生地幅が122㎝しかないので、ちょっと製作が面倒になってしまいます。

この生地幅が意外と大事なんですね。



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次にカラーリップ

ナイロン糸ベースにポリエステル糸をリップ柄に織った生地で、デルフィ透湿コーティング加工により通常の雨に対する防水性と透湿性を兼ね備えた素材です。

生地幅は144cm。これも有力候補のひとつです。



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タフレックスライリップストップです。

大変ソフトな風合いで優れた撥水性、透湿性があり、軽量感のある生地です。

とても薄く絹に近い肌触りです。

非常に細い糸で高密度で織られていますが、ちょっと不安がよぎります。

思いっきりひっぱっても裂けなかったですが。。。

この生地はインナーテントに合っているな。



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エアーライトリップです。

東洋紡の高強力軽量ソフトナイロン シルファイン生地で、15Dのブライト超極細糸を使用しており、薄くて軽く独特の光沢があります。

透ける様に薄く、軽い生地ですね。

ちょっと薄すぎて不安。



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H2OFF ミニ・リップストップタフタ

マイクロファイバーを使用した高密度織物に撥水技術をドッキングしたしなやかな風合いのノンコーティング素材。

優れた撥水性、防水性、透湿性を持っています。

裏面はシレー加工がされ、艶があります。

これは使えますね!



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プリテック・ワン

ソフトな風合いに加えストレッチ性があり、防水性、撥水性、透湿性優れた高機能素材。

耐水圧8000mm、透湿度8000/㎡/24hであり、アウトドアの素材としては申し分なし!

表面はナイロン100%で、裏面はポリウレタン面プリントとなっています。

これも使えるな~!でもちょっとお値段が高め。



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ハイ・ブリザック

特殊なポリウレタンの微多孔質膜構造により防水性・透湿性に対して優れた性能を兼ね備えた特殊素材。

ポリウレタン膜にある1~30マイクロメ-タ-の細かい孔が水を通さず、逆に内部に滞留した湿気を外部に放出する機能を備えています。

耐水圧11000mm、透湿度8500/㎡/24hの防・撥水・透湿三層素材!

余りある性能ですな~。これもお値段高め。

張りがあるしっかり目の生地です。



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カルビラダイヤリップ

耐久撥水加工(マクマード®)を施し、洗濯・摩擦に対する耐久性能にも優れたダイヤリップ組織の高機能素材。

ダイヤ型のリップストップのため、斜め方向に伸縮があります。

なんといっても、このリップストップの光沢が美しい!

光により、輝いて見えます。

アクリルコーティングされているので、透湿性はなさそう。


よりどりみどりで、悩みました~。

どれも捨てがたいのですが、最終的に候補として絞ったのが、

・H2OFF ミニ・リップストップタフタ
・プリテック・ワン
・カルビラダイヤリップ

の3つです。

プリテックワンは、機能的に申し分なく、使いたいところですが、お値段が他の生地と1.5倍くらい違うので、今回は候補落ち。

あとは、H2OFF ミニ・リップストップタフタ」か「カルビラダイヤリップ」

どちらも甲乙付けがたい。

機能的には、H2OFF ミニ・リップストップタフタ」の方が透湿性もあり優れているですが、カルビラダイヤリップ」美しい光沢にやられました!

ということで、採用したのは「カルビラダイヤリップ」です。

最後の最後まで、色も悩みました。


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前提で他の材料も購入し、考えていたのですが、がまた美しいんです。

光の具合により、シルバーのような光沢があるんです。

他の色も輝いていて、美しいんです。イエローとか黄緑とかスカイブルーとか。。。

パステル調の色も捨てがたい。。。



IMG_1278_1.jpgでも今回は、初心貫徹で、赤に決定しました。

次回は絶対に白を使おう!

生地は、生地代、カット料で概ね1m1000円程度となります。



(2)スカートの生地


スカートは、見栄えを考えて、本体の生地に裏付けするか、別生地を利用するか。

スカートを広げて、高さを10cm高くするので、本体生地に裏付けした方がいいかな。

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「210Dナイロンオックスシワ撥水アクリルコーティング」を裏付けすることにしました。



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もちろん色はレッドにしますよ。



(3)ベンチレーターのカバー、メッシュ生地

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ベンチレーターに付けるカバー部分の生地です。

上記の「カラーリップ」にしようか悩みましたが、「140Dダイニーマリップストップ」にしました。

140デニールのリップストップナイロンにダイニーマを組み合わせた生地。

ダイニーマを織り込むことで、軽さと強さが共存し、裏面には防水性のあるPU(ポリウレタン)コーティングが施されています。

ちょっと高価でベンチレーターにはもったいないですが。。。


この生地は「OGAWALAND」にて購入できます。

OGAWALANDLinkIcon

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そして、メッシュ生地は、アウトドアマテリアルマートで販売されている「ノーシーアム・メッシュ」にします。

蚊の様な小さな虫も通さない非常に目の細く軽量な防虫メッシュ生地です。

大変薄く、か弱い生地です。


(4)張り綱・ポール接触部分の補強パーツ

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「ダイニーマ X グリッドストップ ブラック」にします。

非常に堅牢な210デニールの生地で出来ていて、それぞれのダイニーマ糸は68kg以上を支えることができます。

また、防水のために、PUコーティングもされています。

ちょっと高価な生地ですが、補強パーツは大切な部分なので、これに決定!

この生地も「OGAWALAND」にて購入。「アウトドアマテリアルマート」でも購入できます。

OGAWALANDLinkIcon

Outdoor Material Mart(アウトドアマテリアルマート)LinkIcon


(5)ファスナー

ファスナーは今回のワンポールテントの機能を実現するうえで、大切なパーツです。

ファスナーといえば、故郷である富山の世界的企業のYKKですね。

見つけたのがYKKの「アクアガード」!

main_01.jpg「アクアガード」は、アウトドア向けの製品で、防水機能はないまでも撥水機能がある製品です。

手芸向けファスナーを販売しているお店はたくさんあっても、なかなか製品向けのこのような商品を販売しているところがないんです。


出典元:YKKファスニングサポート http://www.ykkfastening.com/japan/product/cf/aquaguard.html


でもやっぱり頼りになるのが、アウトドア マテリアル マートLinkIconです。

10cm単位で購入できます。

普通のオープンファスナーであれば、これを購入して加工すればOKなのですが、今回は幕の切り離しを可能にするために「逆開(ぎゃくかい)」という仕様でないといけないんです。


function_03.jpgちなみに逆開とは、2つスライダーが付いていて、どちら側にも開け、スライダーを下ろせば、左右のテープを離すことができるタイプのものを言います。


今回のテントは、この左右のテープを離すことができるというのが大きなポイントなんです。

アウトドアマテリアルマートでは、逆開のためのパーツを取り扱っておらず、また特別な加工も必要なんですね。

で、今回見つけたのが、YKKファスナーの販売会社である有限会社エヌケイ

有限会社エヌケイ http://www5.ocn.ne.jp/~nk0506/index.htmlLinkIcon


ここは、ありがたいことに個人に対しても、ファスナー1本でもオーダーメイドしてくれるんです。

Q&Aを見ると「キャンプ用の2mのファスナー1本でもお作りします」とのこと!

これも大阪の会社。残念ながら行けないので、メールで見積もり依頼をしましたよ。

  ①アクアガード 5CNT8 色:レッド 逆開 150cm×2本  
  ②アクアガード 5CNT8 色:レッド 逆開 210cm×3本  

アクアガードで逆開(ぎゃくかい)で、両面スライダーで依頼しましたが、アクアガードは両面スライダーが規格上できないとのことでした。

両面スライダーでないと入り口はつらいですが、諦めました。


(6)ポール接続用のベルト

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ポール接続用のベルトは、テント上部にポールを差し込むためのパーツです。

これは、ポリプロピレンベルトの20mmにします。


(7)ペグダウン用のベルト
(8)張り綱用のループ

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ペグダウン用のベルトはポリエステル製のベルトの20mmにしました。

ポリエステルのベルトは少し起毛っぽくなっているので、バックルにつけてもしっかりホールドしてくれると思います。

ユザワヤで購入。



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張り綱用のループはグログランテープ(幅12mm)にします。

ちょっとしたアクセントとしてステッチが入ったワインレッドです。

ユザワヤで購入。



ミシン糸

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ミシン糸は厚地用の30番「フジックス シャッペスパン」のレッドを使います。

生地が薄いので14番でも大丈夫かな。


材料のまとめ

図面に材料をまとめると以下のとおり。

その他の細かな材料は、製作編の中で紹介していきます。
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LinkIcon製作編(その1)はこちら>>>